応用情報技術者試験(AP)に合格したので勉強法と感想をまとめます(午前編)

はじめに

令和7年春季の応用情報技術者試験(AP)を受験し合格したため、学習期間や行った対策と感想についてまとめます。試験対策の一助になれば幸いです。
応用情報技術者試験の午前試験と午後試験に分かれており、本記事では午前試験にスポットを当て紹介します。


試験概要

○試験の基本情報
応用情報技術者試験(AP)は、独立行政法人情報処理推進機構   (IPA)が実施する国家試験で、情報処理技術者試験の中では中    級レベルに位置づけられます。(基本情報よりは難しく、ネットワークスペシャリストなど高度試験よりは易しい。)

テクノロジ系(OS、ネットワーク、データベース、セキュリティ)からマネジメント系(プロジェクト管理、サービス管理)、ストラテジ系(経営戦略、業務分析、IT戦略)と、問われる範囲が非常に広い試験です。

決して一夜漬けでどうにかなる試験ではないです。。。

  • 実施時期:春季(4月)、秋季(10月)の年2回実施
  • 試験方式:午前・午後の2部構成
  • 午前:選択式(マークシート)、午後:記述式
  • 試験時間:午前、午後ともに150分
  • 受験条件:特別な前提条件はなし
  • 受験方式:各試験会場でのペーパー試験でしたが、2026年度より応用情報技術者試験含む高度試験はCBT方式に移行となり、従来のペーパー試験からコンピューターを使用して問題を回答する方式に変更されるとのことです。(すごく助かる)
  • 合格基準:午前・午後ともに60%以上
  • 合格率:約20%前後
  • その他基本情報はこちらを参考にするとわかりやすいです。
    応用情報技術者試験は難しすぎ?合格率や難易度・勉強方法も紹介 | 情報処理技術者・情報処理安全確保支援士 | 資格の大原 社会人講座


受験のきっかけ

システムアーキテクトの資格が欲しく、本資格を持っていると午前試験が免除されるため、少しでも有利に進めたく受験しました。
前段となる基本情報技術者は持っていない状態で受験しました。


取得するメリット

・IT全般の知識を体系的に身につけられます。普段の業務ではどうしても担当領域に知識が偏りがちですが、本試験ではネットワーク、データベース、セキュリティ、プロジェクト管理まで幅広く学ぶことできます。(IT全体を俯瞰して考えられたり、自分の得意分野が分かる)

・高度試験への土台となります。(持っていれば午前試験が免除される)


使用した教材

■書籍

キタミ式 応用情報技術者

【目次】

 Chapter1. 基礎理論(離散数学)(進数や集合など)
 Chapter2. 基礎理論(応用数学)(確率や統計など)
 Chapter3. 情報に関する理論(平均情報量(エントロピー)やBNF記法など)
 Chapter4. デジタルデータのあらわし方(ビットバイトなど)
 Chapter5. コンピュータの回路を知る(代表的な論理回路など)
 Chapter6. CPU(命令の実行技術やパイプライン処理など)
 Chapter7. メモリ(RAM,ROMの種類、キャッシュメモリなど)
 Chapter8. ハードディスクとその他の補助記憶装置(記録方法やRAIDなど)
 Chapter9. バスと入出力デバイス(パラレル(並列)とシリアル(直列)や入出力装置色々など)
 Chapter10. オペレーティングシステム(OSの仕事やタスクの排他/同期制御など)
 Chapter11. プログラムの作り方(データ構造やデータ検索アルゴリズムなど)
 Chapter12. データベース(正規化やDBの障害管理など)
 Chapter13. ネットワーク(LANの装置とOSI基本参照モデルなど)
 Chapter14. セキュリティ(セキュリティポリシーや暗号化技術など)
 Chapter15. システム開発(代表的な開発手法やUMLについて)
 Chapter16. システム構成と故障対策(性能指標やシステムを止めない工夫など)
 Chapter17. システム周りの各種マネジメント(WBSの目的やシステム監査人の役割など)
 Chapter18. 業務改善と分析手法(グラフの見方やQC七つ道具など)
 Chapter19. 企業と法務(企業の組織形態や法律色々)

試験範囲が網羅されており、試験範囲全体を体系的に学ぶことができます。
イラストや図を使った説明がメインで、
すべての解説をイラストベースで行っており、とっつきにくい内容でもとてもわかりやすい解説となっていました。図解が豊富で、こういう仕組み・構造だったのかと気づかされることも多かったです。

イラストが多く使われているためページ数はかなりありますが、試験範囲が広く、かつある程度の理解度が必要とされる応用情報技術者試験にとって、まず大切となる「試験範囲の内容をひととおり理解して、試験の内容を理解し対策すること」ができる本です。
その分野の知識が浅い方でもスラスラ読めて内容が頭に入りやすいです。
他の応用情報技術者試験関連の参考書と比べると、専門書感がなくスラスラ読み進められるため初学者向け、年次が比較的若い方に合っていると思います。

■サイト

応用情報技術者過去問道場🥋

https://www.ap-siken.com/apkakomon.php

本サイトは応用情報技術者試験の過去問題の中からランダムに出題する解説付きのWeb問題集です。完全無料の神サイトです。

スマホやPC、タブレットを使って隙間時間にも活用できます。

出題の仕方も試験回別、分野別、模擬問題形式など選ぶことができ、ユーザー登録をすると学習履歴も管理することができたり、他の受験者同士で質問できる掲示板もあります。
個人的にはこの掲示板で他の受験者の頑張りを見ることでモチベーションが維持の一助になりました。

特に午前試験対策では
・スキマ時間にスマホで解ける
・自分の苦手分野が可視化できる
という点がかなり助かりました。

2025年12月時点で平成17年春季から最新の令和7年秋季までの問題まで掲載されています。


勉強期間

約2か月半(8時間/週×12)

平日は朝1時間、休日は予定がない日はカフェや図書館で4~5時間勉強していました。


勉強方法

~テキストを読んで大まかに内容を理解する~

1週目~2週目:テキストの内容を1周読み込み。800ページ以上あり、丁寧に読み込んでいると時間が足りないため、試験範囲の内容を一通り理解することを念頭に要点のみを抑え、2週間で読み終わるようペースを調整

3週目:テキストに掲載の問題を解く。解説で理解が不十分だった箇所は該当のページに立ち戻り理解を補強する。

~テキストを読み終えたら過去問道場で演習問題に入る~

4週目~8週目:過去15回分の問題を解く。1回分=80問のため
総問題数は1200問
この時点の全体の正答率は50%程

9週目~11週目:過去15回分の問題を解く。(2回目)
この時点の全体の正答率は70%程

11週目~12週目:過去間違えた問題、苦手な分野の問題を中心に解く。
マネジメント系、ストラテジ系の正答率は高かったが、テクノロジ系の正答率が低かったためテクノロジ系(特に計算問題)を重点的に補強

午前試験の対策は過去問道場による問題演習にほとんどの時間を費やしました。
やはり問題演習(特に過去問)が点数向上の一番の近道です。
80問中半分の40問程度が過去問からの流用らしいです。
自分はテキストを1周したら、平成29年以降の過去問を順に解いていきました。
また過去問道場の問題を解く中で正解・不正解両方の選択肢の解説をしっかりと読んで理解を深めることが大事です。(一番のポイントはここかと思います。)
応用情報のテキストは、全てを細部まで熟読することはせず学習の軸を過去問道場にし、弱点の補強に充てるのが効率的な使い方かと思います。

また試験当日は午前・午後と長丁場の試験であるため、試験1週間前頃には実際の試験時間(2.5h + 2.5h)を想定した練習も行っておいた方が吉です。
過去問を解いていると、自分の傾向が見えてくるため、その傾向をもとに自分なりの時間配分を決めてもよいと思います。
自分はマネジメント系が得意だったため、マネジメント系を20分以内、テクノロジ系、ストラテジ系を30分で解くよう自分の中で設定しました。

15回分、全て8割取れるレベルに達すれば午前は受かると思います。スケジュール的に自分は7割近くになったら午後試験の対策にシフトしました。

参考に試験直前の正答率を載せておきます。

令和6年秋季:70.8%
令和6年春季:63.9%
令和5年秋季:62.0%
令和5年春季:65.1%
令和4年秋季:68.7%
令和4年春季:71.8%
令和3年秋季:70.7%
令和3年春季:73.7%
令和2年秋季:73.6%
令和元年秋季:70.4%
平成31年春季:76.6%
平成30年秋季:77.0%
平成30年春季:76.7%
平成29年秋季:71.9%
平成29年春季:58.9%


勉強以外の準備

  • 証明写真貼付済の受験票(2週間くらい前になると、IPAから受験票が届きます)
  • シャープペンシル or鉛筆(濃い目のもの)
  • 時計
  • 昼食(休憩時間に会場最寄りのコンビニ行ったらかなり混んでいたため持参するか朝に買っていった方が吉です)


試験結果

午前得点:70.00点(56/80問)

午後得点:62.00点(自己採点より低かったです。)


感想

午前試験が終了すると、すぐに速報が出て自己採点する文化があるみたいですが、昼休みに自己採点をしても特にメリットはないため、自己採点は午後試験が終わってからにした方がいいです。(速報も完璧なものではなく、もし点数が届いていなかったら午後試験のメンタルにかなり響くため)

受験から合格発表まで2か月以上もあり、試験終了から1か月も経つと徐々に熱は冷めていきましたが、発表直前はさすがにソワソワしました。合格できて一安心でした。
午前試験の過去問はほぼ10年分やりましたが、何問かは知らない単語が出てきました。知らない単語が出てきたときは焦りましたが、過去問からの流用問題があるためそれらを確実に取ることで合格ラインにもっていくことができたかなと思います。
80問中半分の40問程度が過去問からの流用らしいですが、
受験した体感として流用が約40問、一部過去問の内容が変更された問題が30問、初見問題が10問といった感覚でした。

その中でも内容が一部変更された問題は過去問題の「暗記」だけでは突破できません。過去問では不正解だった選択肢が実際の試験で正解の回答になることもあります。
そのため過去問題の勉強においては、正解・不正解の結果だけに注目するのではなく、「なぜその選択肢が正しいのか、また、なぜ誤りとされているのか」を解説を読んで丁寧に理解することが重要です。この点を軽視すると、出題形式や内容が変更された問題に対応できず、点数を落とす原因になります。
ここで改めて過去問題を活用する際には「暗記」ではなく「理解」を重視した学習を行うことを強く念押しします。


おわりに

取得してまだ半年程度ですが、感じたメリットとしては各用語への理解が深まったことにより、仕様書や要件定義書を読むスピードが上がったように思います。点の知識が線でつながった感覚です。学習過程が実務に活きているなと感じていて、取得してよかったと思います。

(また応用情報技術者試験は国家資格のため合格したら立派な合格証書が送られます!)

午後試験については別記事で科目の選び方のアドバイスをメインにまとめられればと思っています。

これを読んでくださった方が、合格できることを祈っています。