マネジメント1年目の教科書
マネージャーの仕事とは何でしょうか。
指示を出すことか。
部下を管理することか。
それとも、自分が一番成果を出すことでしょうか。
役割が曖昧なままマネージャー1年目を過ごすと、
気づけば「プレイヤーの延長線」に立ち続けてしまいます。
本記事では「基礎編」として、マネジメントの出発点となる重要なテーマを、以下3点で整理します。
- マネージャーの役割とは何か
- マネージャーに求められる視点3つ
- 「人の強みを生かす」ことの重要性
①マネージャーの役割とは
まず前提として、マネージャーの定義についてです。
マネージャーとは、部下(関係者)を通じて、自分の意図を実現する人を示す言葉です。
つまり、自分が直接成果を出すのではなく、
「チームとして成果を出す仕組みをつくる人」と言い換えることもできます。
自分が100点を出すことよりも、
メンバーそれぞれが80点を出せる状態をつくること。
その総和こそが、マネージャーの成果です。
また、マネージャーはプレイヤーと完全に切り離された存在ではなく、マネージャーの仕事には「プレイヤーの仕事」も含まれます。
さらに、マネージャーの役割は相手の立場によって変化します。
- 相手が部下・後輩の場合:上層部の代表者として、リーダーシップを発揮する
- 相手が上司の場合:部下・後輩の代表者として、フォロアーシップを発揮する
- 相手が社内別部門の場合:自職場の代表者として、パートナーシップを発揮する
- 相手が社外関係先の場合:企業の代表者として、パートナーシップを発揮する
- 相手が顧客の場合:企業担当者(責任者)として、カスタマーシップを発揮する
マネージャーとは、常に「誰の代表として立っているのか」を意識する存在です。
この“代表者意識”が抜け落ちると、
発言や判断はすべて「個人の意見」になってしまいます。
しかしマネージャーの言葉は、
常に組織を背負った言葉になります。
だからこそ重要なのは、
自分の感情ではなく、
「今、どの立場で話しているのか」を自覚することです。

②マネージャーの仕事に必要な3つの能力
■ 戦略的視点
「今やるべきことは何か」を優先順位で判断する力です。
目の前の依頼をすべて受けるのではなく、
チームの時間と体力をどこに使うべきかを決めること。
“頑張る”よりも“絞る”ことが重要です。
多くのマネージャーは、
「全部やる」という選択をしてしまいます。
しかし、それは優しさではなく、
戦略の欠如であることも少なくありません。
限られた時間と資源をどう配分するか。
その決断こそが、マネージャーの価値です。
■ 顧客志向
「この仕事は本当にお客様の役に立つか?」と問い続ける姿勢です。
社内都合や前例ではなく、
「お客様が使いやすいか」「価値を感じるか」を基準に判断する。
迷ったときの軸を外に置くことがポイントです。
■ システム思考
問題を“人”ではなく“仕組み”で考える力です。
ミスが起きたときに個人を責めるのではなく、
「なぜこの流れだとミスが起きやすいのか?」を考えることが重要です。
例えば、同じミスが繰り返される場合、
それは個人の能力の問題ではなく、
確認プロセスや情報共有の流れに原因があるかもしれません。
人を変えるよりも、
流れを変える。
それがマネージャーの仕事です。
再発防止は、仕組みを変えることから始まります。
③「人の強みを生かす」ことの重要性
マネジメントの重要な役割は、
人の強みを成果につなげることです。
組織では弱みの改善に目が向きがちですが、
弱みを平均点まで引き上げても、大きな成果には直結しません。
成果の源泉になるのは「強み」です。
だからこそ考えるべきは、
「弱みをどう補うか」ではなく、
「強みをどこで最大化できるか」という視点です。
これは部下だけでなく、上司に対しても同じです。
上司の強みを理解し、それを活かすことが、
結果としてチーム全体、そして自分自身の成果にもつながります。
強みは単なる長所ではなく、
成果を生み出す“機会”そのものです。
マネージャー1年目にまず意識すべきなのは、
弱点の是正よりも、強みの発見と活用です。

まとめ
マネジメント1年目は、「自分が成果を出す立場」から
「組織として成果を出す立場」へと視点を切り替える期間です。
- マネージャーの役割を正しく理解すること
- 戦略・顧客・構造という視点を持つこと
- 人の強みを成果へと結びつけること
これらを意識することで、マネージャー1年目の迷いは大きく減ります。
マネジメントは特別な才能ではなく、
役割と視点を理解し、実践を重ねることで磨かれていくものです。
まずは基礎を押さえること。
それが、マネージャーとしての確かな一歩になります。
セミナーを受講した感想
特に印象に残ったのは、「弱みの改善よりも強みの最大化に注力すべき」という考え方でした。
実際にメンバーの強みをベースにタスク振りをした結果、チーム全体としての成果物作成スピードが明らかに向上しました。
また、強みを正しく評価することで本人のモチベーションも高まり、その結果として相対的に弱みの部分にも自ら気づきやすくなったように感じています。
参考URL
・新任マネージャーのスターターキット(オンラインセミナー)
【講師:吉原 俊一先生】この授業は、これからマネージャーになる人、なったばかりの人に向けて、迷いがちな最初の一年を支える内容をお届けします。 まず、「プレーヤー視点」から「マネージャー視点」への意識の切り替えを行い、何を見るべきかを押さえます。 そして、マネージャーの基本定義から役割・前提を整理し、日々の仕事を捉え直すための管理の範囲と、成果に直結する3つの能力と考えについて学びます。 講師は、『管理職...
https://schoo.jp/class/12186