AI時代のWebデザインに必要なのは、“きれい”だけではない?
最近、Webサイトや広告を見ていると、AIで作られたキャラクターやイラストを使用した画像を目にする機会が増えました。
AIによって作られた画像は、色や構図が整っていて、短時間で完成度の高いビジュアルを作ることができます。
一方で、私はAIで作られたキャラクターやイラストが多く使われているWebサイトや広告を見ても、
あまり魅力を感じないことがあります。
「AIだから嫌い」というわけではありません。
むしろ、技術としてはとても面白いと思っています。
それでも、画像を見たときに「整っているな」と思うことはあっても、
その企業や商品に興味を持つきっかけになるかというと、そうではないことがあります。
では、なぜ私はそう感じるのでしょうか。
今回は、AIで作られた画像に対して私自身が感じたことをきっかけに、
AI時代のWebデザインに必要なものについて考えてみたいと思います。
「整った画像」=「伝わるデザイン」ではない
AIを使えば、以前よりも簡単に完成度の高い画像を作れるようになりました。
色合いや構図を整えたり、イメージに合ったキャラクターを作ったりと、デザインに活用できる場面も増えています。
しかし、Webサイトや広告で大切なのは、画像そのものが整っていることだけではありません。
例えば、企業のWebサイトであれば、その企業がどのような会社なのか、
どのような商品やサービスを提供しているのかを、ユーザーに伝える必要があります。
どれだけ整った画像でも、その画像を見ただけでは「何を伝えたいのか」が分からなければ、
Webサイトや広告における役割を十分に果たしているとは言えないのではないでしょうか。
デザインは、単に見た目を良くするためだけのものではなく、
伝えたい情報やイメージをユーザーに届けるための手段でもあります。
整った画像が増えたことで感じる「マンネリ」
もう一つ、AI画像に対して私が感じるのが「見慣れた感じ」です。
AIによってさまざまな画像を作れるようになった一方で、Webサイトや広告を見ていると、
「この雰囲気の画像、前にも見たことがあるな」と感じることがあります。
もちろん、一つひとつの画像を見ればきれいに整っていて、完成度も高いものが多くあります。
しかし、似たようなテイストの画像を目にする機会が増えると、
「整っていること」だけでは新鮮さを感じにくくなってしまうのではないでしょうか。
Webサイトや広告では、ユーザーにまず興味を持ってもらい、その先にある情報を見てもらうことが重要です。
そう考えると、単に整った画像を置くだけではなく、
「このサイトだからこそ、この画像が使われている」と感じられることも大切なのかもしれません。
AIを使うことが問題なのではない
ここまでAI画像について少し否定的なことを書きましたが、
AIをデザインに使用すること自体が問題だとは思いません。
AIは、デザインのアイデアを考えたり、頭の中にあるイメージを視覚化したり、
さまざまなデザイン案を比較したりするための便利なツールです。
例えば、最初から完成品を作ることを目的とするのではなく、
「こんな雰囲気にしたい」というイメージをAIで形にしてみることで、
その後のデザインを考えるきっかけにすることもできます。
また、AIで作った画像をそのまま使用するのではなく、企業や商品のイメージに合わせて加工したり、
他のデザイン要素と組み合わせたりすることで、よりオリジナリティのある表現にすることもできます。
つまり、重要なのは「AIを使ったかどうか」ではなく、
AIをどのような目的で、どのようにデザインに取り入れるかなのではないでしょうか。
「何を伝えたいのか」を考える
私自身、Webサイトや広告を見ていて、見覚えのあるAI画像がそのまま使われていると、
「とりあえず画像を用意したのかな」「そこまでデザインを考えていないのかな」と感じてしまうことがあります。
一方で、AIを使っていても、その企業や商品の雰囲気に合わせて画像を加工していたり、
他のデザインと組み合わせていたりすると、同じような印象を持つことはありません。
その違いは、AIを使っているかどうかではなく、
その画像を使って何を伝えたいのかがデザインに反映されているかどうかなのではないかと思います。
AIによって画像を作ることが以前より簡単になったからこそ、「とりあえず画像を置く」のではなく、
その画像によって何を伝えたいのかを考えることが、これまで以上に重要になるのではないでしょうか。
企業のWebサイトであれば、企業の雰囲気や商品の特徴、ブランドの世界観など、
画像を通して伝えたいものはさまざまです。
画像単体ではなく、色や文字、レイアウトなども含めて一つのデザインとして考えることで、
単に「整った画像が置いてある」だけではない、
その企業やサービスらしいWebサイトにつながっていくのだと思います。
まとめ
AIの進化によって、これまで専門的な技術や時間が必要だったビジュアル表現も、以前より手軽に作れるようになりました。
これはWebデザインにとって大きな変化であり、デザインの可能性を広げるものでもあります。
一方で、誰でも整った画像を作れるようになったからこそ、「整っていること」だけではなく、
そのデザインによって何を伝えたいのか、誰にどのように感じてほしいのかを考えることが、
より重要になっていくのではないでしょうか。
AIを使うことを目的にするのではなく、AIを一つの手段として活用しながら、人が「何を伝えたいのか」を考える。
AI時代のWebデザインでは、そうした視点がこれまで以上に大切になるのかもしれません。
